日本語をはじめ世界中の言語には「声調」と呼ばれる声の調子があります。
「声調」は、声の調子をコントロールして高さや長さ、大きさを工夫して言葉を発音していくという行為を指します。
当然ベトナム語にもこの声調は存在し、特に重要な要素です。
今回は、ベトナム語の声調をテーマに解説し、初心者向けの簡単な声調についてまとめました。
この記事を読めばきっと、ベトナム語の声調について理解が深まるはずです。
ベトナム語の会話は声調がポイント
ベトナム語の会話は声調がポイントです。
この声調は日本語以上に重要な要素になるケースも多く、ベトナム語を学ぶ上での鬼門のような存在になっているという見方もできます。
ここでは、ベトナム語を難しくしている部分である点、声調をクリアすれば、ベトナム語の上達が一気に前進する点について紹介していきましょう。
ベトナム語を難しくしている部分
ベトナム語の声調は、ベトナム語を難しくしている部分の1つです。
他の言語に比べてベトナム語は、話者が少ない、接する機会が少ないといった理由以上に声調が難しいという理由から難しく感じられる言語として挙げられます。
実際に声調の記号が難しく、日本語やアルファベットではみられない形をしているために、敷居を高くしている要素です。
今回は、より理解しやすいことを目指して解説していきます。
実際にベトナム語の声調は、非常に難しい印象があります。
しかし、コツをつかんでしまえば一気にベトナム語の理解が進み、会話だけでなく綴りに関し絵も分かりやすく理解しやすくなるでしょう。
ベトナム語は母音×声調分の文字がある
ベトナム語の発音の核として声調の他母音があります。
声調を解説する前に、母音についても触れていきましょう。
ベトナム語には6つの声調と11(yを別にすると12音)の母音で構成されています。
つまり66もの文字が存在し、日本語の50音を超える数を誇ります。
簡単に母音について触れていくと日本語の「あ、い、う、え、お」への対応が可能です。
ざっと紹介していくと、「あ」に相当するのがa、ăの2音、「い」に相当するのがi(y)の1音です。
「う」は、u、ưの2音、「え」がe、êの2音、「お」に至っては o、 ô、ơ、â(これは「あ」に相当させる場合もある)の4音があります。
これらの母音を工夫しつつ、次で紹介する6の声調を組み合わせていくというのがベトナム語の発音です。
ベトナム語を構成する6つの声調を紹介!
今回のメインであるベトナム語の6つの声調を紹介していきましょう。
この6つの声調は、アジアの言語としては非常に多いという特徴がある点についてまずお話しし、6つの声調についてそれぞれ解説していきます。
ベトナム語の声調はアジアの言語としては非常に多い
ベトナムの6つの声調は、アジアの言語として非常に多い部類に入ります。
比較として中国語(北京語、中国語の標準語に相当)には4つ、タイ語は5つです。
ベトナム語はこれらより多く6つもの声調あるため、単語内のイントネーションの上がり下がりだけで、同じスペルの言葉であっても意味が全く異なってしまい、その具体例として、mua(ムア)があります。
この言葉は、ベトナム語でもよく使うmua(買う)という意味です。
しかし、声調を変えたmùaは季節を意味し、múaは踊るという意味になります。
買う、季節、踊る、名詞と動詞という違いすら発生し、意味も全く異なるのです。
このように会話をスムーズにさせるためには、いかにベトナム語の声調は重要といえるのかが分かるのではないでしょうか。
6つのベトナム語の声調とは
メインとなるベトナム語の声調について紹介します。
ベトナム語の6つの声調は、[a、à、á、ả、ã、ạ]です。
文字に起こしても違いが分からない方がほとんどですから、1つずつ解説していきましょう。
まず、「a」は平らな声調です。
普段の音程より若干高い調子で発音し、まっすぐ意識して発音しましょう。
抑揚をなくし、どこかカクカクした発音になります。
「à」はタンフインといい、かかるような声調です。
やや低めの音程からスタートし、下降するように音程を下げていきます。
ゆっくり下がるような印象を持った発音に聞こえます。
「á」 はタンサッといい、鋭い語感の声調です。
先ほどのタンフインとは反対に普通の声の高さから急激に上昇させる発音になります。
びっくりしたときに発する声の調子で発音するようにしましょう。
「ả」は、問う声調でタンホイといいます。
若干難しく、低めの音程からスタートして加工させ終わり際に少しだけ上昇させる発音方法です。
ため息をついているような印象の発音方法になります。
「ã」は乱高下する発音で倒れる声調、タンガーと呼ばれます。
高い時点かスタート、そこから急激に声調を上げ、途中で声帯を閉めたあと、一気に上昇させていく発音です。
詰まるような、若干発音しにくい声調で声を出します。
「ạ」は重い声調、タンナンです。
低い音程からスタートし、一気に下がって最後に声帯部分を占めるようにして終わります。
「ッ」が最後に来るようなイメージで発音すると良いかもしれません。
このように基本的な発音方法は以上の6つです。
初心者向け!ベトナム語の声調について
ここまでベトナム語の声調を6つ紹介し、解説しましたがイマイチイメージできない方も多かったのではないでしょうか。
最後に、正当な方法から若干それますが、人物をイメージして6つの声調を意識する方法を紹介します。
このイメージで発音すると、初心者でも声調が発音しやすいはずです。
人物をイメージすると声調は発音しやすい?
先ほどと同じように]a、à、á、ả、ã、ạ]の順に説明していきましょう。
最初の「a」は宇宙人をイメージします。
「ワレワレハ、ウチュウジンダ」という決まり文句のようなイメージで抑揚のない言い方をすると発音が容易です。
またはお坊さんでも良いかもしれません。
お経をあげるような雰囲気で発音するのです。
「à」はヤンキーをイメージしましょう。
「あぁ」のような返事をするような感じで発音します。
また、「まぁまぁ」のような相手を制止するイメージで発音してみるのもおすすめです。
「á」はスキップしてしている人のようなイメージで一気に舞い上がる発音です。
または、びっくりした人が発する「えー!!」といった発音をするのも通じやすい方法です。
「ả」はあ~あといった落胆する人が出すような声で発音するとうまく行きやすいケースが多くあります。
がっかりしたイメージの声調といえるでしょう。
最後の「ạ」は、怒った警察官のイメージです。
不審者を発見した際の「おいっ!」というドスの利いた声を発するときれいに発音できるでしょう。
喉を詰まらせた人をイメージしてうまく発音できる方もいます。
このように人物をイメージして複雑な声調を整理してみるのはいかがでしょうか。
そのように対応した声調は、意外とうまく通じる場合も少なくありません。
英語の水をワラ、猫はキャア、日曜日をサンレイというかつての英語教育のような手法ですが、ベトナム語でも十分に通用する方法として活用が可能です。
一度お試しください。
番外編:ベトナム語の「おやすみ」を発音してみる
番外編になりますが、ベトナム語のおやすみをこれまで紹介したテクニックで発音してみましょう。
おやすみはベトナム語でChúc ngủ ngon!
ベトナム語で「おやすみ」を発音すると「チュク・ング・ンゴン」といいます。
このおやすみの発音は、「チュク」でàのタンフインをイメージ、「ング」はãの乱高下するタンガー、そして「ンゴン」は、aは平らな声調です。
先ほどの人物をイメージすると「おやすみ」は、スキップ、落胆、宇宙人という形です。
まとめ
ベトナム語の発音の根幹となる声調、この声調は少し異なっただけでも動詞と名詞という非常に激しい変化をしていまう言葉です。
この声調をきちんと押さえておくとベトナム語の通じやすさは一気に高くなり、初心者からの卒業のきっかけになるでしょう。
今回紹介した人物イメージ発音などを利用しながらベトナム語の声調をクリアしていきましょう。
きっとベトナム語の新しい世界が分かり、よりベトナム語を楽しんで話せるようになります。
[a、à、á、ả、ã、ạ]、まずはこれらの声調をマスターして、母音を加えた流ちょうなベトナム語の発音ができるようになるのが望ましいでしょう。
まずは、これらの音を耳で聞いてみて、紹介した人物たちをイメージしてみてください。
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