日本では当たり前のように「お疲れ様です」という言葉を使います。本来は相手をねぎらう言葉ですが、一般的には仕事終わりなどの挨拶として使うことが多いです。
「お疲れ様です」には主に、挨拶、相手をねぎらうという2つの意味があります。ではその2つに分けてベトナム語を紹介していきます。
ベトナム語でも挨拶は大事ですから、日常的に使うフレーズは多く覚えておくにこしたことはありません。
仕事が終わったあとに使える!「お疲れ様です」のフレーズパターン
日本で使う「お疲れ様です」は、日本独自のものです。仕事が終わったときの挨拶の定番になっているので、毎日のように言っている人も多いことでしょう。
ピッタリ当てはまる言葉がないため、お疲れ様ですに近い「仕事のあとで使えるフレーズ」をいくつか紹介していきます。
様々なシチュエーションで使える「chào」を使いこなそう
「chào」は便利なベトナム語です。そのまま単体だと「やあ」や「こんにちは」という意味になり、朝でも昼でも夜でも使える万能な挨拶フレーズです。
頭に「Xin」をつけて「Xin chào」にすると意味は同じですが、単体よりも丁寧な意味合いになります。
万能な単語なので以下のように使うこともできます。
・chào 〇〇
〇〇には人称が入りますから、それぞれこのように人称を入れていきましょう。
・年上の男性に使うとき → anh
・年上の女性に使うとき → chị
・女性に使うとき → cô
・年下に使うとき → em
・大勢に使うとき → mọi người
「chào」と人称を合わせて「Chào anh」などの形で使います。
これは「さようなら」「またね」というニュアンスを含んでいますから、仕事が終わったあとなどに一般的に使われています。
「chào」を使えば堅すぎないので、「お疲れ様です」という言葉に近いです。「chào」単体だとカジュアルな印象ですが、人称をつけることで目上の人に対しても使うことができるのです。
人称がいくつもあるのでややこしいですが間違えると失礼になってしまいます。まずは年上の男性、年上の女性の人称だけでも覚えておきましょう。
「mọi người」はみんなに対して使うので、何名かいるときは「chào mọi người」となります。
お疲れ様です」に近いフレーズ4選
「chào」は「お疲れ様です」に近い言葉として紹介しましたが、パターンが1つだと語学力が上達しません。ベトナム語でコミュニケーションをとるためにも多くのフレーズを覚えていきましょう。
こういった言葉も、仕事の後などで同じような意味で使うことができます。
・mai gặp lại → また明日
・em về đây → 帰りますね
・em về trước nhé → 先に帰るね
・xin phép về trước → お先に失礼します
「mai gặp lại」はごく一般的な挨拶なのでベトナム人同士でもよく使います。カジュアルすぎることもなく堅すぎることもないので使いやすいです。
「xin phép về trước」は「xin」がついていることもあり、丁寧な印象な言葉です。目上の人などに使いますが、同僚や友達、気心が知れた人に使うには丁寧すぎる印象があります。
少しずつニュアンスが違いますから、その時に合わせて使い分けるようにしてください。ちなみに、「em về đây」「em về trước nhé」の頭についている「em」は人称です。上の項目でも紹介しましたが、人称は相手に合わせて変えて使います。
年上の男性に使うときは「anh」、年上の女性に使うときは「chị」、女性に使うときは「cô」、年下に使うときは「em」です。
この人称変化はベトナム語を学ぶにおいてとても重要なので、早めに覚えておくのがおすすめです。
日本語だと年上、年下に限らず「お疲れ様でした」という言葉を言えば問題ありません。しかしそこまで万能なセリフはありませんから、個々や関係性などで言葉を選んで使っていくことになるのです。
ただし、別れの挨拶の中でも「Tạm biệt」を選んで使うのは止めておきましょう。
さようならという意味の「Tạm biệt」は仕事終わりの挨拶には使いません。この言葉はテキストなどで別れの挨拶として紹介されてはいますが、これはフランス統治時代にフランス人が作ったものです。
日本語でいうと「さらば!」「達者で!」のような雰囲気の言葉ですから、普通は日常では使わないということも知っておきましょう。
相手をねぎらうときにも使える「お疲れ様です」のフレーズパターン
「お疲れ様です」は、本来は相手をねぎらう言葉です。一仕事が終わった人にかける言葉、労をねぎらうという意味があります。
では本来の意味である、相手をねぎらうときの「お疲れ様です」に近いフレーズを紹介していきます。
相手をねぎらいたいときに使うフレーズ3選
同じ日本語でも「お疲れ様でした」に代わる言葉はありません。それほどに万能な言葉なのでベトナム語にも同じ意味のものはありませんから、近いニュアンスの言葉を紹介していきます。
相手をねぎらうときのフレーズは以下の通りです。
・mệt chưa? → 疲れた?
・em làm rất tốt → あなたは良くやった
・mệt rồi, phải không? → 疲れちゃった?
「お疲れ様です」とは少し違いますが、近い表現だとこうなります。日本語は遠回しな表現が多いですが、ベトナム語は直接的な表現が多いので、「疲れた」という単語を使うことが多いです。
上記の3つの中で、日常生活で一番よく使うのが「mệt chưa?」です。仕事が終わった人に対して、重要な会議が終わった人に対して、「疲れた?」と聞くような感じです。
「em làm rất tốt」は、頑張った人に対してたたえるような言い回しです。特別なことをした場合には使いますが、日常生活の中で頻繁に使う言葉ではありません。
ベトナム人に対して労をねぎらいたいときは、一番ベーシックな「mệt chưa?」を使うのが無難です。
ただし無難といっても代用できる言葉ではないので、多用のしすぎは違和感があります。ベトナム人は毎日の挨拶のように使わないということは知っておきましょう。
ベトナムでは相手をねぎらうということをあまりしない
「お疲れ様でした」は挨拶と共にねぎらいの言葉でもありますが、ベトナム語にはピッタリくる言葉がありません。というのも、ベトナムは「相手をねぎらう習慣」というものが日本より薄いからです。
しかしそれはベトナムが変わっている、ということでもありません。
世界の共通語ともいわれているのは英語ですが、英語にも「お疲れ様です」にピッタリくる言葉がありません。「よく頑張ったね」「あなたは疲れているように見える」などの言葉を代わりに使います。
これはフランス語もそうですし、スペイン語でも同じです。つまり、世界基準でみると日本の表現の方が変わっているということになるのです。
「おもてなし」という言葉もあるように、日本は相手を気遣う、ねぎらうということを重要としています。だからこそ使われるようになった言葉なので、他の言語だとぴったり当てはまるものが少ないのです。
「お疲れ様でした」を直訳すると「đã vất vả rồi」とされていますが、あくまで直訳なのでベトナム人はほとんど使いません。ベトナムや他国が冷たいというわけではなく、文化の違い、表現方法の違い、習慣の違いからくるものなのです。
まとめ
ベトナム語には「お疲れ様です」にピッタリの言葉はありません。しかし代用できる言葉や言い回しがいくつかあるので覚えておきましょう。
挨拶はどこの国でも大事です。人称変化があるので日本人には難しくもありますが、人称は一度覚えると様々な場面で使うことができるので早めに習得しておいてください。
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