基本的なベトナム語の読み方!うまく通じない理由も知っておこう

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ベトナム語は基本的にはアルファベットを使いますが、日本人には見慣れない記号がついていますよね。妙な記号がついているから「どう読めばいいのか全く分からない」という人が多いのです。

しかもベトナム語は発音が難しい言語。ベトナム人にベトナム語で話しかけても「は?」と言われてしまうことも多いです。しかしそれは発音や読み方が下手だからという理由だけではないのです。

では、ベトナム語の基本的な読み方、ちゃんと読んでもベトナム語が通じにくい理由を説明していきます。

ベトナム語の読み方は複雑!まずは基本を知ろう

発音どうこう、会話がどうこうの前に、読み方を知らなければ口に出すこともできません。まずは基本的なことを知っておきましょう。

読み方を知ることはベトナム語習得の第一歩となります。

他国と比べても多い!ベトナム語には6つの声調がある

ベトナム語には以下の6つの声調記号があります。声調記号とは英語でいうアクセントのようなもので、「どう読めばいいか」というものを表している記号のことです。

それぞれの種類と記号の名称、読み方は以下の通りです。

・a→記号なし→アクセントなしで平らに読む
・à→グレイヴ→若干下げながら平らに読む
・á→アキュート→急上昇するように上げて読む
・ả→フック→低く下げてから上げて読む
・ã→チルダ→急激に上げてから声門を閉じるように下げ、また上げて読む
・ạ→ドット→低く重く読む

上記のように記号がないものを含めて、全部で6パターンです。この記号は読み方を表しているので、記号の通りに読んでいきましょう。今回は例として「a」を使いましたが、他のアルファベットでも読み方は同じです。

この記号をどのように読むのかはとても重要です。例えば日本語には橋、箸、端のように、同じ言葉の単語がありますよね。その3つの違いは読み方です。

それと同じようにベトナム語にも同じスペルの単語があり、読み方で違いを区別しています。

例えば「mua」→買う、「mùa」→季節、「múa」→踊る、です。

日本語は声調記号がないのでどう読むのかは覚えるしかありませんが、ベトナム語は記号があるので、そういった意味では分かりやすくもありますね。

ただし、中国語は声調が4つ、タイ語は5つなので他国と比べても多いです。そのぶん大変ですが、同じスペルの単語が多くあるので覚えておいて読み方を区別しておきましょう。

読み方で意味が変わる!ベトナム語には12の母音がある!

日本語には声調がなく、母音は5つだけです。しかしベトナム語は声調が6つ、加えて母音が12あるので日本人にとって難しいのです。

母音とは、日本語でいうと「あいうえお」にあたるものです。ベトナム語の母音は以下の通りです。

・a→口を大きくひらいて、少し長めに「あ」と読む
・â→ 短母音。単独だと「ớ」の発音になるため「ơ」と同じように読む
・ă→短母音。「a」と同じように読むが、短い
・i→唇を横にのばし、「い」と平たく読む
・y→「i」と同じように読むが、条件によって長さが異なる
・u→口をすぼませながら「う」と読む
・ư→「い」を言う口で「う」と声を出すような感じで読む
・e→口を大きくひらき、「え」と読む
・ê→日本語の「え」と同じように読む
・o→口を縦に大きく開いて「お」と読む
・ô→口をすぼませて「お」と読む
・ơ→喉の奥から音を出すように「お」と読む

読み方は簡単なものもありますが独特のものもあります。基本的には「あいうえお読み」でOKなので、それぞれのクセを掴んでいきましょう。

「mua」は「買う」という意味ですが、「mưa」は「雨」という意味です。ベトナム語は声調記号によって意味が変わりますが、母音によっても意味が異なります。

読み方がかなり上手じゃないとベトナム語が通じない理由

ベトナム語を習得するためには発音や読み方が大事です。文法や人称変化も大事ですが、文法は簡単ですし人称変化は覚えるだけなのでそこまで苦労はしません。

しかし「しっかり読み方を練習したけど全く通じない!」という人が多いのも事実です。それにはこういった理由があったのです。

ベトナム人は外国人がベトナム語を話しているとは考えもしない

ベトナム語はメジャーな言語ではありません。喋る人が多い言語といえば、英語やスペイン語、フランス語。イタリア語やドイツ語、ロシア語、中国語なども有名ですね。

そういった言語が母国語の人であれば、「外国人が自分達の言語を喋る」ということに慣れています。しかしベトナム人は、外国人がベトナム語を喋るなんて考えてもいないのです。

例えばアメリカの場合、外国人が「えーっと…」と話しかけると「英語がうまくないんだな。でも英語で喋ろうとしている」とすぐに察してくれます。

しかしベトナム人はまさか外国人がベトナム語を喋ろうとしているとは思わないため、「つたないベトナム語を聞く準備」ができていないのです。

日本語はベトナム語よりはメジャーです。日本語を喋る外国人もいますし、外国人がつたない日本語で喋ると、なんとか聞き取ろうとしますよね。しかしそういった気持ちになっていないフラットな状態でつたない日本語を聞くと、ほとんどの場合で聞き取ることができません。

そういったことがあるため、かなり発音が上手でないと聞き取ってもらうことができないのです。

発音に自信がないのであればまずは英語で「私はベトナム語の勉強をしている」「少しだけベトナム語を喋ることができる」など、前置きしてからだと聞き取ってもらいやすくなります。外国人は英語を喋るものだという認識があるため、ベトナム語とは違い英語を聞く準備はできています。

ベトナムでは2011年から小学校での英語教育が義務化されています。日本よりも英語を話せる人が多いですし、簡単な英語であれば問題なく通じます。

ベトナム語には方言もある

ベトナムは大きく分けると北部、中部、南部の3つの地域に分かれます。南部はハノイ、中部はダナン、南部はホーチミンが主要都市となっています。

正式なベトナム語は、首都ハノイがある北部のベトナム語です。ダナンもホーチミンも大きな都市なので旅行に行く人も多いですが、北部以外の地域では方言があります。

テレビなどは基本的に北部のベトナム語で放送されています。そのためどの地域の人でも理解ができますが、現地の人は方言を喋るため、ベトナム語がペラペラの人でも聞き取れないこともあります。

日本と同じで年配の人になると方言もきついですし、標準語で話しかけても方言で返すということも多いです。日本でいうと標準語と関西弁くらいの違いですが、ベトナム語がある程度話せないと余計に通じにくくなります。

方言は読み方や発音の仕方が変わってきますから、まずは北部の標準語に慣れることをおすすめします。

「全くベトナム語が通じないし聞き取ってもらえない…」と思ったら南部出身のベトナム人だったということもあります。地域によって単語の読み方が変わることもあるので気をつけておきましょう。

まとめ

ベトナム語は声調と母音の種類がいくつもあるため、読み方が難しいです。よく「ベトナム語は発音が難しい」といいますが、それはこういった理由があるからなのです。

まずは基本的な読み方を知り、リスニング力を鍛えていきましょう。音の種類が多いので最初は戸惑いますが、ずっと聞いていれば自然と聞き分けることができるようになります。

言語には地域差もあるので、会話するときは標準語を喋るベトナムを探す、勉強するときは標準語の教材を探すことをおすすめします。

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