何かと忙しくお金もかかる日本を脱出して、物価が安く温暖な気候の東南アジアへ移住したいと考える人が多くなってきています。
東南アジアの国々の中でも日本人にとって住みやすいと言われているタイに移住するという人は、よく聞く話です。ではすぐそばのベトナムに移住するのは、日本人にとってどうなのでしょうか。
経済成長真っ只中で、若者や子供がたくさんいる元気な国であるベトナムは、投資や進出などで世界中から注目される国のひとつです。
ベトナム移住をおすすめする点やおすすめできない点、移住の方法などをまとめました。ベトナム移住を考えているならまずはこちらの記事を読んでみてくださいね!
ベトナム移住をおすすめする理由
結論から言うと、アジアに移住を考えているのであればベトナムはおすすめの国の一つです。ベトナムは住む地域にもよりますが、ハノイやホーチミンなどの大都市であればなんでもそろいます。もしくはあえて地方に住みベトナムローカルに近い暮らしを体験するのもよいでしょう。
ベトナム移住は日本人にとってどのような点がおすすめなのかを、まずは探ってみましょう。
物価が安く、プチ贅沢できる
ベトナムは日本に比べて全体的に物価が安く、物にもよりますが日本の1/3~1/7くらいの値段で大抵の生活用品は購入できます。ローカルの人が住むようなアパートを選び、食事は自炊もしくはローカルの安い食堂で取るような生活をすれば、1か月5万円ほどで生活することもできるでしょう。
家族用のちょっと贅沢なマンションを借りれば、プールやジム、朝食や掃除なども付いているため日本でいう高級レジデンスやホテルに住むような感覚を味わえます。
一人暮らしのアパートでも家具付きや掃除などもついて、3万円~7万円ほどでも探せます。さらにベトナムは物も安いのですが人件費も安いので、お手伝いさんを時給100円~200円ほどで雇うこともできます。日本ではお手伝いさんを雇うなんてなかなか考えられませんよね。
ベトナムでどのように過ごすかにもよりますが、日本では本当の富裕層にしかできない贅沢をベトナムでは一般人でも味わうことができ、プチ贅沢気分を味わえます。
1年中温暖で過ごしやすい
ベトナムは全体的に日本よりも1年を通して温暖です。寒いのが苦手な人にはぴったりの場所です。ただしベトナムも日本に似て南北に細長い形ため、住む場所によって気候が大きく異なります。
ハノイを中心としたベトナム北部は亜熱帯気候で、日本のように四季があります。1年を通して湿度が高く夏の暑さは厳しいのですが、冬は最低気温が10度前後にしかならず、そこまで寒くはありません。秋から冬にかけては日本の秋と同じような気候でとても過ごしやすくなります。
ホーチミンを中心としたベトナム南部は熱帯モンスーン気候であり乾季と雨季のみです。雨季の降水量は相当多いのですが、短時間のもので一日中降り続くというわけではありません。常夏なので年中半袖と短パンで過ごせるのもうれしいところです。
ベトナムの夏の暑さは湿度が高いこともあり、日中まともには歩けないほどです。でも今では日本の猛暑とさほど変わらないかもしれませんね。
比較的治安がよい
ベトナムは東南アジアの国の中では比較的治安が良い国と考えられています。もちろんスリや置き引き、引ったくりなどの軽犯罪は頻発しており、日本人を狙った犯罪も最近ではよく起こっています。
しかし都心部では夜でも女性が歩けたり、タクシーなどに一人で乗車することができます。また自販機や銀行のATMが外に設置してあることなどから、治安の良さを感じられる点がいくつもあります。もちろん日本の治安の良さとは比べてはいけませんが、気を付けていれば犯罪に巻き込まれることはないでしょう。
またベトナムは共産党一党体制で政治的にも安定しており、テロなどの危険も現在のところとくにあがってきていません。
しかし一般的に経済発展が進めば進むほど治安は悪くなるため、ホーチミンやハノイでは以前に比べて犯罪件数は増えています。今後も治安が悪くなる傾向は続く可能性はあるため、注意は必要です。
気楽に暮らせる!?
これは人それぞれの感じ方によるので一概には言えませんが、ベトナムは日本に比べて良くも悪くも気楽に暮らせる場所であると言えるでしょう。
サービスが徹底していて何事も時間通り、何事もスムーズに進むことは日本が誇れる素晴らしい文化です。しかしそのすべてがきちんとしているところに逆に窮屈さを感じているような人には、ベトナムをおすすめします。
時間にルーズ、交通ルールも守らない、何事もスムーズにいかない、騒音がどこにでも発生するなどのことが許されてしまう国、それがベトナムです。
このような点にイライラしてしまうようであればベトナムはおすすめできませんが、住んでいるうちに慣れてきて逆に心地よくなってくることもあるかもしれません!?
ベトナム移住をおすすめできない人の特徴とは?
ベトナムに移住をおすすめする理由はたくさんあります。でも下記の点が気になる人には、ベトナム移住はちょっとおすすめできないかもしれません。
言語が通じないのが辛い
まずベトナム語は世界屈指の習得が困難な言語のひとつです。ベトナムの観光地や大都市では英語がある程度は通じますが、やはりローカルのベトナム人にはベトナム語しか通じないことが多々あります。
ベトナムに移住を考えるのであれば、ベトナム語を学ぶ意欲を持つことが大切です。これはコミュニケーションを取る手段だけとしてではなく、現地の人に受け入れてもらう上でも大切です。ベトナム語の難しさにすでに心が折れてしまい、これ以上学びたくないと諦めている人にはベトナム移住はあまりおすすめできません。
交通マナーが悪い
ベトナムでは道路や信号などが整っていな場所も多く、交通マナーも守られていないことが多いのが現状です。とくに多くのベトナム人の移動手段となっているバイクに関しては、その量の多さにまず圧倒されます。
ベトナム人にとってのバイクは日本人の自転車のような感覚で、信号無視や反対車線での逆行、渋滞時の歩道の走行など日常茶飯事です。家族全員が一台のバイクに乗っていたり、どうみても過積載のバイクの走行も非常に多く見られます。
多くの道路が混みあっていて十分な広さがないため、スピードがそんなに出ていないところが不幸中の幸いで、重大な交通事故が頻発しているわけではなさそうです。
しかし交通ルールがきちんと守られている日本人にとって、ベトナムの道を歩くのは本当に大変で歩いているだけで疲れます。とくに小さな子供がいる家族にとっては一番の心配事かもしれません。
移住する本人を取り巻く環境が、そのような環境を受け入れられる状態かどうかはよくよく考えなければなりません。
空気や衛生面が悪い
ベトナムの大都市ハノイやホーチミンでは大気汚染の心配があります。大気汚染の程度を示すAQIが100を超えると敏感な人には健康に影響が出るとされていますが、ハノイの平均は204、ホーチミンは174となっています。
2019年9月末にはこのAQIにおいてハノイが1位、ホーチミンが3位となりました。大気汚染の状況はベトナムに住むとくに外国人の懸念事項です。アプリで毎日数値をチェックをしたり、学校では大気汚染の数値が高い日には子供を外で遊ばせないなどの処置が取られています。
また水道水を直接飲むことはできないため、通常はウォーターサーバーや市販のミネラルウォーターの水を飲料水として使います。しかしローカルの食堂では当然のことながら水道水で食器を洗ったり野菜を洗ったり、飲み物に使う氷を作ったりしています。水道水を直接飲まないように避けていても、いつの間にか口にしてしまうことはよくあります。
道路にゴミや排水を捨てたり、生ごみがそのままになっていたりと衛生面でも心配されることが多くあります。
日本での清潔な環境に慣れていてそれが好ましいと思っている人であれば、心身ともに慣れるまでちょっと時間がかかるかもしれません。
インフラが整っていない
水道水のことは前述しましたが、ベトナムではまだインフラが整っていなことが多々あります。水道水は飲めず、水洗トイレは普及してきていますがトイレットペーパーを流せないところは大きなショッピングモールなどでもたくさんあります。
(2020年2月時点では、あまりこういったところには出会わなくなりました)
また公共交通機関が現状バスしかなく、ハノイやホーチミンでは今後メトロができる予定ですが、工期が遅れています。このため多くのベトナム人の移動手段がバイクとなるため、バイクがないとベトナムでの生活はとても不便です。
しかし、grabなどの交通手段が一気に台頭してきたため、正直日本人はバイクがなくても大丈夫になってきています。
さらに大都市であっても停電が時々起こります。バックアップの電源を持っている大きなホテルやレジデンス以外だと、突然電気が止まってしまい冷蔵庫や空調、インターネットが使えなくなってしまうという事態が発生します。
郵便事情も整っておらず、日本や海外から出した郵便物はまずスムーズに届かないと考えておいてよいでしょう。検閲が入る場合もありますが、それ以外でも通常の郵便物が届くのは困難です。日本とのやり取りには民営の輸送会社を使用するか、追跡ができる郵送方法にしなければなりません。
私はEMSやGrabなどで送ったりしています。
ベトナムへ移住するための方法とは?
ではここからは具体的にベトナムへ移住するための方法を見ていきましょう。日本人のパスポートを持っていれば15日以内の観光であればビザ無しでベトナムにいることができます。でも移住となれば期間はそれ以上になりますよね。ビザの手続きや長期滞在する方法について確認していきましょう。
この制限ももう少しゆるくなるようです。(2020年5月)
観光ビザを更新し続ける
長期間のビザがないため更新などが少し大変ですが、観光ビザで居続ける方法があります。観光ビザを繰り返し取り続ける方法であればどれくらいの期間ベトナムに居住できるのか、確認してみましょう。
30日間までビザ無しで滞在可能
まず15日間はビザ無しで滞在ができます。さらに現地で旅行代理店を通じて15日間の延長が可能です。しかしこの延長の申請は1回のみとなります。またビザなしで入国すると、一度出国してから30日間ビザ無し入国ができないというベトナムのオリジナルルールがあるため、ビザ無しで入国した後は注意が必要です。
観光ビザの種類
ビザ無しで入国するのではなく、最初から長期のビザでベトナムに入国する方法もあります。1か月~3か月まで種類があり、シングルは1度出国すると無効になりますがマルチプルであれば他国への行き来が自由にできます。
観光ビザ(DL)
- 1か月シングル:6,500円
- 1か月マルチプル:10,000円
- 3か月シングル:7,500円
- 3か月マルチプル:14,500円
(料金は事前に大使館、領事館へ確認しましょう)
最大の3か月ビザを取得し延長を行えばさらに27日の延長がベトナム国内で行えます。ということは最大で約4か月間ベトナムに滞在できます。しかしその後は一度出国し、再度ビザを購入することが必要となるため、度々出国と入国を繰り返す必要が出てきます。
ベトナムのビザの制度は頻繁に変わるため、直近のビザの制度はベトナム大使館や旅行代理店で確認することをおすすめします。
学生ビザを取得する
ベトナムの大学などに留学をする場合は、最大で1年間の学生ビザを取得することができます。学生ビザの手配は留学する学校を通して行います。
ベトナムの大学の費用は日本の大学に比べれば驚くほど安く、国家大学か国立大学であれば年間20万円ほどもあれば十分です。大学に正規留学でなくても大学に付属している語学学校への通学でも学生ビザを出してもらえる場合もあるので、まずは通いたい学校へ問い合わせをしてみましょう。
しかしいつまでも学生でいられるわけではないので、学生ビザでベトナムに居住できるのは限定的だと考えおいた方がよさそうです。
就職して労働許可証を取得する
一番おすすめは、ベトナムで職を得ることです。観光ビザも学生ビザもベトナムで働いて給与を得ることができないため、日本での貯金を切り崩して生活していく必要があります。もしくはオンラインビジネスなどで日本の会社から所得を得る必要があります。
ベトナムは経済成長真っただ中で日系の企業の進出も多く、日本人の求人も増えています。日本からアクセスできるベトナム専門の転職エージェンシーもあるため、まずは職を決めてから渡越することを考えましょう。
労働許可証は採用する側の企業が手配してくれることがほとんどのため、採用が決まれば労働許可証を取得することは難しくないようです。労働許可証は最長2年間で、労働許可証と同じ期間の一時在留許可証を得ることができ、ベトナムに滞在できます。
日本で採用されてベトナムに赴任する場合は期間限定ですが、現地採用であればベトナムでの就労が基本となるため、労働許可証を更新し続けることができれば、仕事を辞めるまではベトナムに居住することができます。
ベトナムで正式に給与を得て生活をするためにも、こちらの方法が最もおすすめです。しかし仕事を辞めてしまったり定年退職した後は使えないため、永住することはできません。
ベトナム人と結婚する
ベトナム人と結婚することになれば、永住権が得られます。永住のために結婚することはできないので、あくまでご縁となりますが、一般の人が永住権を得られる最も簡単な方法となると言えるかもしれません。
ビザについてより詳しく知りたい人は下記の記事をチェックしてみてください。
なにげに日本人男性、日本人女性人気あります!
ただ、、ベトナム語習得必須!
ぎゅっと距離縮まりますよ。
ベトナムに永住する方法は?
実はベトナムで永住権を得られる方法もあります。しかしとても条件が厳しく現実的ではありません。ベトナムで永住を目指すための方法を詳しく見ていきましょう。
永住権を取得する外国人はごく少数
2019年の時点でベトナムに住む日本人は20,000人以上ですが、永住者は300人ほどしかいません。ベトナムで永住権を取る難しさが感じられます。
ベトナムで永住権を取得する条件は下記のとおりです。
- ベトナム政府から勲章又は称号を授与された外国人
- ベトナムに一時的に居住している外国の科学者又は専門家
- ベトナム人である親、夫、妻又は子供がスポンサーになった外国人
- 2000年以前からベトナムに住んでいる無国籍の人
いずれの場合もベトナムに住居があり、安定した収入がなければなりません。
ベトナム人と結婚しても更新が必要
ベトナム人と結婚すれば外国人でも永住権を取得することが可能です。しかし外国人であることには変わりないため、ビザの申請は必要なくても永住権を3年ごとに更新する必要があります。
リタイヤメントビザは無い
ベトナムではお隣のタイやカンボジア、他の東南アジア諸国のフィリピン、マレーシア、インドネシアのようにリタイヤメントビザが現在のところありません。
今後近隣諸国のようにそのようなビザが出てくることを期待しましょう!
まとめ
ベトナムは移住するのに向き不向きがあります。そのリラックスした雰囲気や物価の安さなどを魅力的に感じられるのであればベトナム移住に向いているでしょう。しかしベトナムはインフラが未整備なところや、大気汚染があったり、衛生環境がまだまだ整っていないことを覚えておかなければなりません。もしベトナムに移住するのであれば、ぜひ現地の人が使うベトナム語の習得も心がけてください。
ベトナムに移住するのにおすすめの方法は、学生となり学生ビザを取得するか、現地で仕事を見つけて労働許可証を得ることです。
学生ビザは期間限定で学費もかかる上に、正規で仕事をして収入を得ることができません。一方で日本人の求人も多くある現地採用であれば、期間の限定なく就労する限りは滞在をすることができ、所得を得ながら普通にベトナムで生活をすることができます。
もしくは縁があってベトナム人と結婚するようなことがあれば、永住権を取得することができます。しかし永住権であっても更新は必要です。
ベトナムではリタイヤメントビザがなく永住権を取得するのも難しいので、一時的な移住はできますが永住を考えるのであれば少々難しいのかもしれません。
しかしベトナムは経済発展著しく制度や規制もどんどん変化している最中なので、ビザなどのルールも日々変わっています。ベトナムへの永住を考えている人は諦めずに、今後の動向に注目していきましょう!
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