ベトナムを始めとした東南アジアは、物価が低いというイメージがありませんか?確かに東南アジア全体として物価が低いことは確かです。その中でもベトナムはトップレベルの物価の低さであり、1ヶ月5万円もあれば暮らせるという噂もあるほど。果たしてこれは真実なのでしょうか?
その疑問に応えるべく、具体的なベトナムの物価について調査しました。ぜひ一緒に確認していきましょう。
ベトナムの物価の目安
具体的な物価を確認する前に、通貨や物価の動きなどベトナムの物価に関わる基本的な情報から見ていきましょう。
ベトナムの通貨とは?
ベトナムの通貨は「đong = ドン」となります。昔は硬貨も使われていましたが、現在は紙幣のみとなっています。
一番小さな単位の紙幣が 100ドンで、順に
- 200ドン
- 500ドン
- 1,000ドン
- 2,000ドン
- 5,000ドン
- 10,000ドン
- 20,000ドン
- 50,000ドン
- 100,000ドン
- 200,000ドン
- 500,000ドン
の 計12種類です。
100ドン、200ドン紙幣は日常生活の中で出会うことがほとんどなく、500ドンも段々と珍しくなってきています。通常使うお金は1,000ドン札以上だと思っておけばよいでしょう。
なおベトナムの全ての紙幣にホー・チ・ミン主席が印刷されており、ベトナム人がいかにホー・チ・ミン主席を敬愛しているかが通貨にも表れています。
また、10,000ドン以上の紙幣はなんとプラスチック製。万が一洋服のポケットに入れたまま洗濯機にいれても濡れて破けたりしません!進んでいますよね。
ベトナムと日本の通貨の為替レート
2019年11月時点でのベトナムドンと日本円の為替レートは、
1ドン = 0.0047円
10,000ドン = 47円
となっています。
2018年まではベトナムドンの1ドンが0.0050円で10,000ドンが50円だったため、換算がとても楽でした。2019年に入り50円を少し切っている状況です。しかしここ数年は10,000ドン=50円を大体キープしているため、計算方法としてはこちらを使用している人がいまだに多いことでしょう。
ドンから円に換算する時の計算方法はこちらです。(分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使います)
ドン ÷ 200 = 日本円
例:200,000ドン ÷ 200 = 1,000円
逆に、円からドンに換算する時の計算方法はこちらとなります。(分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使います)
日本円 x 200 = ベトナムドン
例:500円 x 200 = 100,000ドン
このようにベトナムドンは0の数が多いので最初は難しいのですが、慣れればベトナムドンを見ただけで円換算ができるようになります。
ベトナムのGDP成長率と物価上昇率の関係
2018年のベトナムのGDP成長率は7.1%と高い経済成長率を示しており、2019年も同水準の成長が続くと予測されています。
経済成長に伴いベトナムのインフレ率は年々上昇しており、2018年時点で4.7%となっています。これはベトナム全体の数字となるため、ハノイやホーチミンを始めとした都市部ではもっと急激な物価上昇率となっていることが推測されます。
経済発展が著しいベトナムでは、ベトナム人の給与も毎年5%前後昇給しています。しかし給与と同じ勢いで物価が上がっているのではあまり生活が楽になったとは感じられませんね。
ベトナムの生活費の平均とは?
ベトナムの労働総連盟の調査によると、ベトナムの1世帯の毎月の平均の生活費は、約36,000円(2018年時点)となっています。あくまでローカルの人々の生活費ですが、やはり日本円で50,000円もあれば家族が1ヶ月暮らしていけるという感覚です。
ベトナムの物価【食品・家庭編】
ここからはベトナムの具体的な物価を見ていきましょう。まずは家庭で料理をしたり食べるために必要な食品からチェックしていきます。生鮮食品など日常に使う食品に関しては、購入する場所にもよりますが、価格が日本の1/3~1/7くらいが目安です。
しかしヨーロッパやアメリカ、日本など遠い国からの輸入品は日本で購入するのと同じ、もしくはそれ以上の価格となります。
生鮮食品
日常生活に必要な生鮮食品の価格の目安は下記のようになります。
食品名 | ベトナムドン | 日本円 |
日本米(10kg) | 20万~35万5000ドン | 1000~1,750円 |
じゃがいも(1kg) | 3万~3万5000ドン | 150~175円 |
トマト(1kg) | 2万~3万ドン | 100~150円 |
卵(1パック) | 3万~5万ドン | 150~250円 |
豚バラ肉(200g) | 2万4000~3万ドン | 120~150円 |
オレンジ(1kg) | 4万~5万ドン | 200~250円 |
分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使っています。
出典・参照元:VIETJO ベトナムの物価より(https://www.viet-jo.com/market-price/)
このデータはスーパーやコンビニなどで購入した場合の価格です。生鮮食品に関してはローカルの市場で購入するとさらに安くなります。
野菜や果物、肉類は日本の価格の1/3~1/5ほどでしょうか。しかし卵や日本米は日本とそんなに変わらず、少しだけ安いくらいです。
飲料
同じく日常生活に必要な飲料の物価の目安を集めてみました。
食品名 | ベトナムドン | 日本円 |
ミネラルウォーター(500ml) | 5000~6000ドン | 25~30円 |
牛乳(1L) | 3万~3万5000ドン | 150~175円 |
コーラ(330ml) | 8000~1万ドン | 40~50円 |
ビール(330ml) | 1万~1万8000ドン | 50~90円 |
分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使っています。
出典・参照元:VIETJO ベトナムの物価より(https://www.viet-jo.com/market-price/)
牛乳は日本で購入するのとそんなに変わりがありません。しかし水やジュース系は半額程度、ビールは銘柄によりますが、ベトナム産のビールであれば1/5以下の価格で購入できます。
インスタント食品、その他
上記以外のその他の食品の価格の目安はこちらです。たばこは食品ではありませんが、嗜好品として入れています。
品名 | ベトナムドン | 日本円 |
インスタントヌードル | 7,000~15,000ドン | 35~75円 |
小麦粉(1kg) | 1万1000~1万5000ドン | 55~75円 |
たばこ | 2万5000~2万6000ドン | 125~130円 |
分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使っています
出典・参照元:VIETJO ベトナムの物価より(https://www.viet-jo.com/market-price/)
インスタントヌードルはベトナムローカルのものであれば半額程です。日本のカップヌードルでもベトナムで作っているタイプであれば日本の半額くらいですが、純日本産の輸入物は日本で購入する2~3倍します。
たばこは日本で購入する1/4~1/5ほどでしょうか。ベトナムの男性の喫煙率は50%に近い数字です。嗜好品は値段が高くなる傾向のある日本とは違い、お酒やたばこなどのベトナム人にとっての娯楽や嗜好品は低価格で抑えられているようです。
ベトナムの物価【食品・外食編】
ベトナムのスーパーやコンビニで購入できる、日常に必要な食料品の物価は大体把握出来たかと思います。
ところで実は、ベトナム人は外食が大好きです。朝から道でフォー屋さんが開かれ、通勤や通学前の人々が朝ごはんにフォーなどを食べている姿がよく見られます。
大衆食堂などもたくさんのおかずを選べるにもかかわらず驚きの安さです。ベトナムでは家で作るよりも安く美味しく、気軽に外食をすることができます。
フォーはいくらで食べられる?
ベトナムで「フォー」を食べるには、フォー専門店か道端に椅子を置いて営業している露店で食べるのが一般的です。
フォー1杯の値段は3万~7万ドンほどで、日本円で150~350円ほどです。旅行者がよく訪れる有名店では料金が高くなりますが、ローカルに近ければ近いほど3万ドンに近くなります。
ベトナムと言えば「フォー」ですよね?でも実はフォーはベトナムの中でも首都ハノイのローカル料理です。フォーはとくにハノイのベトナム人が朝ご飯や昼ごはんによく食べられる、日本人にとっての白いご飯のような存在のようです。
ローカルカフェ、ローカルレストラン
ご紹介したフォーも含め、多くの地元の人が訪れる露店や専門店、ローカルカフェやローカルのレストランで食べられるメニューの価格をご紹介します。
メニュー | ベトナムドン | 日本円 |
フォー | 3万~7万ドン | 150~350円 |
バインミー | 1万5000~3万ドン | 75~150円 |
大衆食堂の1プレート | 2万~5万ドン | 100~250円 |
ビアホイでの生ビール1杯 | 1万5000~2万5000ドン | 75~125円 |
コーラ、水1缶 | 1万2000~2万5000ドン | 60~125円 |
ベトナムコーヒー | 3万~4万ドン | 150~200円 |
エッグコーヒー | 3万~4万ドン | 150~200円 |
スムージー | 5万~6万ドン | 250~300円 |
タピオカミルクティー | 3万5000~5万ドン | 175~250円 |
分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使っています
ベトナムローカルの露店や大衆食堂、カフェ、レストランでは200~300円ほどあればお腹いっぱい食べることができます。
果物が安いベトナムでは色々な種類の新鮮な果物が入ったスムージーも驚きの安さです。
また現在日本でブームが巻き起こっているタピオカミルクティーはベトナムでも近年トレンドです。日本で購入するのに比べれば手軽な価格で飲むことができます。ただし大衆食堂の定食やフォー1杯などと同じ値段であることから、ベトナム人にとっては少々高級品といえるかもしれません。
出典・参照元:
VIETJO ベトナムの物価より(https://www.viet-jo.com/market-price/)
Travelocoより(https://traveloco.jp/hochiminh/guide/tp-gen-prices#part-c05c60b376c1f461)
外国人向けレストラン、日本食レストラン
外国人向けのレストランや日本食レストランは何を食べるかにもよりますが、日本で食べるのとほぼ同じくらいの金額になります。
また、スターバックスコーヒーやマクドナルドのような外資のコーヒーショップやファストフード系も日本と同等の金額です。
ベトナムで日本食レストランに行くのは、ベトナム人にはちょっとした贅沢となります。
ベトナムの物価【住宅編】
食料品の次は、住む場所である住宅やそれに関わる費用を見ていきましょう。生活費の中で一番大きな割合を占めるのが家賃です。また光熱費やネット使用量も固定費としてかかってくるため物価が生活を大きく左右します。
家賃
ローカルのベトナム人と同等のアパートやシェアハウス、学生寮などに住むのであれば家賃は限りなく低くできます。
しかし日本人や外国人が住むセキュリティがしっかりしていて、ハウスキーピングが入るようなサービスアパートメントは、場所やアパートのレベルによっては相当高額になることがあります。
日本からの駐在員はサービスアパート以上から高級ホテル、レジデンスに住むことがほとんどです。
タイプ | ベトナムドン | 日本円 |
シェアハウス | 100万ドン~ | 5,000円 |
単身者(ローカルアパート) | 400万ドン~ | 20,000円~ |
単身者(サービスアパートメント) | 1,000万ドン~ | 50,000円~ |
家族(サービスアパートメント) | 3,000万ドン~ | 150,000円~ |
単身者(高級ホテルやレジデンス) | 3.000万ドン~ | 150,000円~ |
家族(高級ホテルやレジデンス) | 6,000万ドン~ | 300,000円~ |
分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使っています。
光熱費
光熱費はサービスアパートやホテル、レジデンス系では家賃に含まれていることが多いようです。でももし支払うとしても月々電気代と水道代を合わせても5,000~6,000円ほどの追加支払いで済んでしまいます。光熱費は日本よりもぐっと安くに抑えることができます。
出典・参照元:VIETNAM HOUSE(https://vietnamhouse.jp/blog/house/cost)
インターネット使用料
ベトナムが日本より進んでいるインフラのひとつが、インターネットやWIFIです。ベトナムが経済発展が著しくなってきた時から、すでに世の中にはインターネットやWIFIが存在していました。よってベトナムでは、インフラのひとつとしてインターネットやWIFIシステムがデフォルトで整っていることがほとんどです。この点は絶対的に日本よりも進んでいます。
おまけに通信速度もまずまずな上に、料金が格安です。サービスアパート以上に住めばネットの使いたい放題が家賃に含まれていることが多いのですが、別途支払うとしても1ヶ月に3,000円も支払えば十分です。
ベトナムの物価【その他・娯楽編】
娯楽の選択肢が多く、様々な施設が存在する日本の都市部に比べれば、ベトナムの娯楽は数も種類も限られます。
ベトナム人は若い人からお年寄りまでほとんどの人がスマホを持っています。娯楽のひとつと言えるかもしれません。通信費用が安いため、多くの人がスマホの動画などを楽しんだり、家族や友人とコミュニケーションを取っている姿を見かけます。
また近年都市部においては商業施設が多く建設されているため、映画館も増えてきています。
ベトナムでの娯楽などの物価の相場を見ていきましょう。
通信費
まずはほとんどどんな住居にも、カフェ、レストラン、学校などにもWIFIシステムが入っているため、その場所のWIFIを使えばネットの料金はかかりません。大体どんな施設でもフリーWIFIで、パスワードが掲示してあります。もし掲示していなくてもお店の人に聞けば教えてもらえます。
その上で自分で支払う料金がスマホの場合、例えば大手通信会社のMobifoneであればこのような料金体系です。
データ使用料 | 期間 | ベトナムドン | 日本円 |
3.8GB | 30日 | 7万ドン | 350円 |
5.5GB | 30日 | 9万ドン | 450円 |
8.8GB | 30日 | 12万ドン | 600円 |
12GB | 90日 | 21万ドン | 1,050円 |
27GB | 180日 | 42万ドン | 2,100円 |
60GB | 360日 | 84万ドン | 4,200円 |
分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使っています。
そもそも住居内や外出先の施設ではフリーWIFIが充実しているため、データ通信を使用する機会がありません。そんなにデータ通信をしない人であれば、スマホの通信料が1年間たったの4,200円ほどで済んでしまいます。圧倒的な低料金です。
交通費
ベトナムの公共交通機関は現在建設中のものもありますが、まだまだ整っていません。2019年の時点ではバスが唯一の公共交通機関です。
その他のベトナム人の足は自分のバイクか車、もしくはタクシーやGrab(グラブ)などの配車システムとなります。
交通機関 | ベトナムドン | 日本円 |
バス1回の乗車賃(1回) | 5000~7000VND | 25~35円 |
タクシー(1km) | 1万1600~1万6500VND | 58~82円 |
分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使っています。
出典・参照元:VIETJO ベトナムの物価より(https://www.viet-jo.com/market-price/)
バスは1回チケットを買えば距離に関わらず同じ料金です。
タクシーの初乗り料金はタクシー会社や車の大きさに寄りますが、大体5,000~12,000ドン(25~60円ほど)となります。
Grabなどの配車システムだとセダンタイプの車でタクシーの6~8掛けほど、Grabバイクだとさらにその半分ほどの金額でかなり低料金です。
映画鑑賞の料金
ベトナムでは近年商業施設などが多く建っており、しかもほとんどの商業施設に映画館が併設されているため、続々と映画館が増えています。
日本では映画の鑑賞料金は高くてなかなか家族では行けないレジャーになってしまいましたが、ベトナムでは下記のような料金です。
レジャー名 | ベトナムドン | 日本円 |
映画(1人) | 8万5000~10万5000VND | 425~525円 |
遊園地(入場料:1人) | 8万~10万VND | 400~500円 |
マッサージ、スパ(60分) | 35万~60万VND | 1750~3000円 |
分かりやすくするために2018年のレート(1ドン = 0.0050円)を使っています。
出典・参照元:VIETJO ベトナムの物価より(https://www.viet-jo.com/market-price/)
映画1回の料金はベトナム人にとっては決して安い金額ではないかもしれません。でも日本人にとってはとてもリーズナブルな料金で、映画を鑑賞できるというイメージではないでしょうか。これであれば家族で映画鑑賞が楽しめそうです。
このほか遊園地やマッサージなども日本の半額以下で楽しむことができます。
まとめ
ベトナムでの生活の大まかな物価をご理解いただけたかと思います。ベトナムの物価は物やサービスによりますが、概ね1/3~1/7くらいまでの間に収まるものが多いのではないでしょうか。
しかしインターナショナルに展開しているチェーンの飲食店などは、日本で購入する場合と変わりません。
また日本人を始めとした海外の人たちが対象になっている飲食店やサービスに関しては、ベトナムローカルの人たち対象の物よりも高額になり、日本国内と変わらない料金となることもあります。
しかし住居や食事の場所を選べば、ベトナムでは5万円もあれば1ヶ月暮らせるというのは確かな事実です。
ベトナム人の生活を知ったり、自分自身がベトナムに住む場合などの参考にしていただければと思います。
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