ベトナムの法定通貨・ドンを知る~日本円ではいくら?・ドンの成り立ちなど~

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法定通貨というと日本で日本円があるように、ベトナムには「ドン」があります。
このドンはベトナムのさまざまな決済や取引に使われており、ベトナムに行ったら、必ず利用する機会も多いはずです。

そんなベトナムのドンについて今回は、ドンの成り立ち、ドンで表す物価についてなどまとめました。
これを読めばきっとベトナムの法定通貨、ドンについて多くのことが分かるのではないでしょうか。
それでは、ベトナムのドンを解説していきます。

ドンは日本円でいくら?

ドン(VND、đồng、銅、₫)は2020年12月現在0.0045円です(1万ドンで約45円)。

厳密な単位に直すと、1000分の1円である1厘で表現でき、約4.5厘になります。
そんな細かい単位になるベトナム・ドンの相場について紹介していきましょう。

ドンの表現方法

ドンは、先ほど触れた1円よりも小さい単位である1厘のように補助単位があります。

その補助単位は、1/10ドンである1ハオ(hào,、毫)、1/100ドンである1シュウ(xu、樞)があります。

ただ、日本の銭や厘と同じく、あまりに通貨単位が小さくなってしまうことから、現在は使われていません(通貨自体発行されていない)。

このように日本と同様に補助単位が存在するなど、何となく馴染みを感じられるのではないでしょうか。

ドンが発行されている貨幣の紹介

発行されている貨幣についても紹介します。
2020年現在、先ほども触れたとおり1ドンの金額があまりに小さいため、基本的に1,000ドンが1Kドンとして小銭のように使われている状態です。

こういった背景から発行されている硬貨は200、500、1,000、2,000、5,000ドンですが、実際に使われ、流通しているのは1,000ドン以上になっています。

紙幣は非常に多くの種類が発行されており、ざっと紹介すると1,000、2,000、5,000、1万、2万、5万、10万、20万、そして50万ドンです。

50万ドンというとかなり高額なイメージですが、それでも日本円で2,000円程度であり、決済に関して実用的な金額になっています。
ちなみに紙幣は、1万ドン以上が紙ではなくポリマーを使用したポリマー紙幣です。
そのため、1万ドン以上から非常に丈夫ですが、それ以下の5,000ドン以下は、とても弱いので管理に注意が必要です。

お気づきの方も多いかもしれませんが、ベトナムでは硬貨がとても小さな単位です。
そのため、旅行先でも紙幣のみ用意する形がほとんどで財布に小銭が貯まりにくいというメリットがあります。
ただ、ベトナムの物価は比較的安いため、50万ドンを出すと小さな買い物で1万円札を出すような感じになります。
むやみに50万ドンの紙幣を出すと嫌がられてしまうので、旅行先では注意しましょう。

ドンはどのような絵柄が採用されているの?

ドンは日本円と同様に様々なデザインの貨幣があります。
そのデザインの内、紙幣に関しては全て表面がベトナムの英雄で指導者のホーチミン氏で、しかも全て同じ顔デザインを採用しています。
そのため、同じ面で揃えると、金額と紙幣の色以外はほとんど同じデザインになり、とっさに出しにくいことも少なくありません。
こういった特徴があるものの、もちろん裏面はデザインが大きく変わります。

ではこの紙幣の裏面の絵柄について一気に紹介していきましょう。
1,000ドンは象の木材運搬、2,000ドンは紡績工場、5,000ドンはチアンダム(南東部にあるダム)、1万ドンはバクホー油田(ベトナム最大の油田)、2万ドンは来遠橋(日本橋)、5万ドンはフエの王宮、10万ドンはフエの奎文閣(孔子廟)、20万ドンはハロン湾の香炉岩(海に浮かぶ巨大な奇岩)です。
そして、50万ドンはホーチミンの生家になります。

このようにベトナムの名所や産業、自然が表現されているだけでなく、ホーチミンがいかに尊敬されているかが、紙幣からもよく分かるのではないでしょうか。

ドンの成り立ちや日本での両替場所

ドンはフランスの植民地になる以前から親しまれた呼称であり、ベトナム独陸後の南北ベトナム時代も両ベトナムでドンといち早く呼ばれるようになりました。
そんなドンの成り立ちや日本での両替ができる場所について紹介していきます。

ドンの歴史

元々古代ベトナムの時代から中世に至るまで、ベトナムの貨幣は通常銅で製作されていました。
こういった経緯から銅の呼称であるドンと呼ばれるようになっていったのです。
フランスの植民地時代のみピアストルという通貨が使われていましたが、その時代でさえ口語ではドンという方が少なくありませんでした。

1946年にベトナムが南北に分かれた際に北ベトナムドンが誕生し、南ベトナムはフランス領インドシナ・ピアストルとドンの両通貨名で運用されるようになりました。
その後、南ベトナムは、ベトナム共和国になりベトナム共和国ドンが誕生します。
そして、ベトナム戦争を経て南北統一が果たされたのち、1976年に統一ドンが誕生して1新ドン=10旧ドンというドン切り下げを経験し、現在に至ります。

日本での両替は可能?

日本国内でもドンの両替は可能です。
ただし、空港の銀行や両替ショップでを中心に両替できます。
例えば成田空港では千葉興業銀行やりそな銀行、京葉銀行、そして千葉銀行やGPA外貨両替専門店での取り扱いになります。
関西国際空港は三菱UFJ銀行のみです。
ただ、ネットでも両替を行っているので、地方でドンを両替したい場合はネットを利用するという手もあります。
また、ポケットチェンジという端末や金券ショップでも取り扱っている場合があります。

ドンで表すベトナムの物価を紹介!

最後は、ベトナムでどんなものが、何ドンで購入できるのかをご紹介します。
全体的に日本より物価が低く、比較的安価に様々なものを購入できるのが特徴です。
そんなベトナムのドンはどの程度の物価なのか、日用品や飲食店、観光施設やホテルなどをまとめていきます。

日用品や飲食店の物価は?

日用品は、現地のミネラルウォーターが3,400ドン(約17円)、フランスのエビアンは2万4,000ドン(約120円)、ビールはメジャーブランドの333が10,900ドン(約55円)です。カップラーメン(日清)は11,900ドン(約60円)と、日本よりもかなり安い価格になっています。

高級レストランは、グリルフィッシュが193,000ドン(約970円)、ローストチキンが171,000ドン(約870円)、カフェはエッグコーヒーが4万ドン(約180円)です。
観光地は基本的に日本より少し安い程度ですが、現地の方が利用する場所では、これらよりもかなり安くなっていることも少なくありません。

観光施設の利用料は?

観光施設の利用料は100円~600円程度で利用できる印象です。
ざっと紹介していくとタンロン遺跡が3万ドン(約135円)、ホイアン旧市街地が12万ドン(約540円)、チャンアンのボートは2万ドン(約90円)となっています。
このように日本に比べてもかなり安く利用できる印象です。

有名ホテルはいくら?

気になる有名ホテルですが、こちらは残念ながら、日本と極端には変わりません。
ハイアットは約670万ドン(約3万円)、シェラトンは約780万ドン(約3万5,000えん)程度です。
有名ホテルというのもありますが、日本と数千円程度しか変わらず、レートによっては同じくらいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ベトナムの法定通貨「ドン」についてお分かりいただけましたか?

実際の買い物では1,000ドン単位で取引されているので、紙幣での決済が基本です。
大きな紙幣を持っていると使い勝手があまり良くないので、なるべく両替をして100,000VND以下にするのがおすすめです。

なお、日本の空港ではレートがあまり良くないので、現地に着いてから日本円をベトナムドンへ両替したほうがお得かもしれません。ベトナムの空港到着時に両替するのが便利ですよ。

近年、物価が上昇しているベトナムですが、日本よりも物価は断然安く、日本の1/3程度の物価と言われています。
また、ベトナムドンは後ろの00を2つとって2で割った数字が日本円での価格になるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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